レコーディング
 リハーサル
西武池袋線 東久留米駅 徒歩2分
TEL 042-472-2055
TOP >目次へ戻る
>TOPへ戻る


【実験5】 古くなったギター弦を煮込むとサウンドは復活するか?

「古くなったギター・ベースのスチール弦を、水で煮込むとサウンドが復活する!」

...というのは、比較的有名な風説ですが、実際に試してみた方は少ないのではないでしょうか?
今回はこの風説の真偽を確認します!煮込みます!


1.使うもの

  ・ナベ
  ・カセットコンロ
  ・水

  ・使い古しのギター弦 (3年物)

強火フルスロットル! 汚れで変色していますがブロンズ弦ではないですよ。ニッケル弦です。
汚いにも程があるぞ、コラ。


<今回のギター>
KRAMER ミック・マーズモデル
 以上を使用して生音をマイクで録音し
 以下の3種類のサウンドを比較します。

  ・新品弦
  ・使い古し弦 煮沸前
  ・使い古し弦 煮沸後


        さあ、結果やいかに?
世代限定、分かる人には分かるギター。 蘇れ青春!
ピックアップ1個、ヴォリューム1個のみの非常に男らしい仕様です。
ヴォリュームを絞っても高域が落ちない様にハイパス回路搭載。
(いや、今回はアンプを使わないので関係ないんですけどね...。)
.


2.煮込み

使い古しの弦を煮沸する前に、新品の弦を張った時のサウンドを確認しておきましょう。
使い古して劣化した弦を煮沸して、この新品のサウンドに戻れば風説は正しいと言えるでしょう。
・新品弦のサウンド MP3 ※録音の都合上、誘導ノイズが多く乗っております。
  お聞き苦しいと思いますがご了承ください。
次に使い古しの弦の煮沸前のサウンドを聴いてみましょう。
うーん、詰まった感じというか、ペナペナした音色というか、明らかに劣化しているのが分かります。
高音成分が出ていないため、キラキラした感じがありません。
・使い古し弦 煮沸前のサウンド MP3 ※録音の都合上、誘導ノイズ・ポップノイズが多く乗って
  おります。お聞き苦しいと思いますがご了承ください。



さあ、使い古しの弦を煮沸してみましょう。
ギターから古い弦を慎重に外します。 外した弦をまとめて、水を張ったナベに
投入!


FIRE !! そのまま20分間煮沸します。


煮沸終了。弦の汚れが若干落ちた様に
感じます。  あと、ナベ変色...。火力強すぎ。
弦についた水分を拭取って、ギターに
張り直します。
-NO PHOTO-


アクシデント発生!
張り直してぺグを巻いたら、5弦と1弦が
ぺグ巻き終り部分で切れてしまいました!
繰り返して巻き→戻しをした事で、弦が
弱ってしまった様です。

ブチッと切れました、はい。
 5弦と1弦が切れてしまいましたが、
 ひとまず終了です。

それでは、いよいよ煮沸後のサウンドを聴いてみましょう!
(5弦、1弦は切れてしまいましたので、録音できませんでした)
・使い古し弦 煮沸後のサウンド MP3 ※録音の都合上、誘導ノイズが多く乗っております。
  お聞き苦しいと思いますがご了承ください。
お見事!! サウンドが復活しています。
高音の詰まった感じが解消されて、新品と遜色ないサウンドに戻りました!
「風説は本当だった」と言えるでしょう!


【まとめ】

<サウンドの比較>
新品 煮沸前 煮沸後



  ・キラキラしている   
  ・キラキラ感なし   
  ・キラキラ感が復活  


<実験結果>  「古い弦を煮込むとサウンドは本当に復活する」


...が! 実用を考えると、この方法には大きな問題があります。
実験中に実際に起こった事なのですが、巻き直す作業中に弦が切れてしまう可能性が非常に高いです。

そもそも使い古した弦は、サウンドの劣化はもとより、錆などにより物理的な強度も落ちている訳で、
その上、「巻いてあった弦を外す」→「元の巻きグセに逆らって巻き直す」という負荷を掛けるのですから、
ぺグの部分でいつ切れてもおかしくない状態になるのは避けられないと思います。
(元の巻きグセに逆らわなければ良いのですが、完全に元通り弦を巻き直すのは容易ではないと思います。)

「新品弦のサウンドが欲しいけど、どうしても弦が手に入らない」という場合以外は、この方法は
お勧めできません。やはり、弦が古くなった場合は素直に新品に交換しましょう!



目次へ戻る> TOP