<アース(グランド)とは?> |
はじめにアース(グランド)とは、「0V」とか「0Vの所につなぐ」ということです。
訳すと地球・地面・大地という意味ですが、その地球の地面が持つ電圧(電位)を0Vと人間が決めたわけです。
(電圧の基準とします)
よって、基本的にアースとは「地面の電圧」「地面につなぐ」などということですが、実際に音響機器を直接地面につなぐことはないので、同じ「0V」や「0Vのところにつなぐ事」をアース(アースをとる)と呼びます。
洗濯機や冷蔵庫などで、電源ケーブルとは別に緑の電線がつながれてるのを見たことはないでしょうか?
その緑の電線が「0V」のところにつながっているのです。(アースをとっている状態です。)
|
<音響機器のグランド> |
次に音響機器についてです。
音響機器を作る場合でも、グランド(0V)になる基準場所を決めて設計をします。
一般的には人が触ることのあるシャーシ(ケース)がグランドとして設計されています。
なぜかというと、仮に人が触る場所に100Vが流れるような場合、触ったとたんに感電してしまい危険だからです。
というわけで、
音響機器は100Vのコンセントにケーブルをさして機器を駆動させる・・・にもかかわらず、人が触れるところはちゃんと安全なように0Vとなっている。
この0Vの場所(シャーシ)が音響機器のグランドということです。
つづいて具体的な例を見ていきましょう。 |
マイク・・・ボディが基準(0V)
パワードミキサー・・・シャーシが基準(0V)
スピーカー・・・コールド端子が基準(0V)
|
接続していないマイク・パワードミキサー・スピーカーがあります。
この場合、それぞれに基準のグランドがあり、それぞれが相対的に0Vになっているはずです。
ですが、地面の電圧(0V)と同じ電圧になるように設計しようとしても、なかなかどうして、うまくいかないこともあり、実際は全て同じ電圧(0V)にならないこともあります。
そう極端に違う電圧ということではないですが、全く同じではないのです。 |
システムの基準が成立(グランド電圧一定)
|
それでは、これらの機器をホット(+)、コールド(-)、グランドでつないでみましょう。
すると、それぞれのグランドがつながれ、個々にあった基準がこの音響システムの基準として、ひとつになります。
先ほど述べたように、個々の基準がそれぞれ違う電圧だったとしても、高い方から低い方へと流れ、それぞれが同じ電圧にキープされるということです。 |
システムの基準が成立(グランド電圧0V)
|
さらにアースをとって地面へとつないであげれば完璧です。
システムのグランドは地面と同じ0Vに保たれ、安心して使える状態になるわけです。 |
マイクのアースが浮いている状態
|
さて、これを踏まえてこんな場合はどうでしょう。
マイクとパワードミキサーのグランドがつながれていない状態です。
例えば、この状態でマイクを持ちながらパワードミキサーを操作したとします。
もし、マイクのボディパがワードミキサーのシャーシより高い電圧だった場合どうでしょう。
電圧の高い方から低い方へ・・・。
そうです、場合によっては感電してしまう可能性があります。
このように、本来0Vであるはずのグランドが、電圧を持っている状態を「アース(グランド)が浮いている状態」と言います。
|